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車のクーリングオフは効く?契約後に解約できるケース【オーストラリア・販売店編】

ディーラーの店前に車が並んでいる写真
ご相談内容

車を買う契約をしたのですが、あとになって「やっぱりやめたい」と思うようになりました。日本にはクーリングオフの制度があると聞きますが、オーストラリアでも契約後に解約できるのでしょうか?

「契約したけれど、気が変わった」
だれにでも起こりうることです。ただ、ここで注意が必要です。日本のクーリングオフのイメージは、オーストラリアではそのままは通じません。

結論を先に言うと、車のクーリングオフが使えるかどうかは、①ディーラーから買ったか個人売買か ②どの州か ③もう車を乗って帰ったか・この3つで変わります。

この記事では、次のことがわかります。

  • オーストラリアの車のクーリングオフが「限定的」である理由
  • 州ごとの有無と、見落としがちな3つの落とし穴
  • クーリングオフが使えないときの「別の解約ルート」
目次

大前提:オーストラリアのクーリングオフは「限定的」

まず、日本のイメージをいったん手放しましょう。オーストラリアには、あらゆる買い物に広く使えるようなクーリングオフ制度はありません。車について言えば、クーリングオフが問題になるのはディーラー(免許を持つ販売店)から買った場合だけです。

図:JACS

そして重要なのが、個人売買(プライベートセール)には、クーリングオフが一切ないということです。これは全州共通です。FacebookマーケットプレイスやGumtreeで個人から買った車は、契約が成立した時点で後戻りできないのが原則です。


個人売買のトラブルについては、別記事「個人売買で購入した車が故障した」でくわしく解説しています。個人売買は保護が薄いぶん、購入前の確認がとても重要です。

あなたの州にクーリングオフはある?

ディーラー購入でも、クーリングオフ制度がある州とない州があります。ここは州によってはっきり分かれるので、自分の州を確認してください。

クーリングオフ制度州・準州
ある(ディーラー購入)NSW・VIC・QLD・SA・ACT
ないWA・TAS・NT

クーリングオフがある州でも、その期間は非常に短いのが特徴です(数日程度で、日数の数え方や長さは州によって異なります)。また、新車と中古車で扱いが違う州もあります。正確な日数と条件は、必ずお住まいの州の消費者保護当局で確認してください。

ポイント

「クーリングオフがない州だから、もう何もできない」そうとは限りません。制度としてのクーリングオフがなくても、契約違反や車の欠陥など別の理由でなら解約・救済を求められることがあります(この記事の後半で解説します)。

見落としがちな3つの落とし穴

クーリングオフがある州でも、次のことを知らずに権利を失ってしまう人が少なくありません。特に大切な3つの落とし穴です。

① 車を「乗って帰る」と権利が消える

これが最大の落とし穴です。多くの州では、クーリングオフ期間内であっても、車の引き渡しを受けて乗って帰ってしまうと、その時点でクーリングオフの権利を失います。「契約したその日に車に乗って帰った」という状況では、もう解約できないケースが多いのです。契約後にじっくり考えたいなら、車はまだ受け取らないでおくのが賢明です。

② 権利放棄(waiver)にサインしていることがある

州によっては、「すぐに車を乗って帰りたいなら」と、クーリングオフの権利を放棄する書面(waiver)に署名を求められることがあります。この書面にサインすると、自らクーリングオフの権利を手放したことになります。契約時にサインした書類の中に、こうした放棄条項が含まれていなかったか、契約書を見直してみてください。

③ 解約は必ず「書面」で、期限内に

クーリングオフを使うときは、口頭ではなく書面(メールやレターなど)で販売店に伝える必要があります。電話で「やめます」と言っただけでは不十分なことが多いのです。しかも期間が短いため、時間との勝負になります。通知した日付と、販売店が受け取った証拠(送信記録など)を必ず残してください。なお、解約時には少額の違約金が手付金から差し引かれることがあります(金額は州のルールによります)。

注意

クーリングオフは「早い者勝ち」の時間勝負です。迷っている時間はほとんどありません。「解約したいかもしれない」と思った時点で、すぐに書面の準備を始め、当局に確認しましょう。1日の遅れが、権利を失う結果につながることがあります。

クーリングオフが使えないときの「別の解約ルート」

ここが大切なポイントです。クーリングオフは「気が変わった」という理由でも解約できる制度ですが、期間が短く、失効しやすいものです。では、期間を過ぎてしまった、あるいはそもそもクーリングオフがない州だった場合、もう泣き寝入りするしかないのでしょうか。

そんなことはありません。クーリングオフとは別の理由でなら、解約や救済を求められることがあります。たとえば、次のようなケースです。

  • 契約と実態が違う/誤認させられた:「事故歴なし」と言われたのに違った、広告と実際が食い違うなど。ディーラーは事業者なので、消費者を誤認させる行為は禁じられています
  • 車に重大な欠陥があった:ACLの消費者保証により、重大な欠陥がある場合は交換や返金を求められることがあります
  • ローン契約が絡む場合:購入にローンを使った場合、クレジット契約について別のルールが関係することもあります

契約と実態が違う、保証してくれない、といったトラブルへの具体的な対処法は、別記事「中古車販売店とトラブルになった」でくわしく解説しています。クーリングオフが使えなくても、あなたには消費者法の強い権利があります。

今すぐやるべきこと【4ステップ】

車のカギを返却している様子
STEP
契約書のクーリングオフ条項を確認する

クーリングオフがある州では、契約書にその権利についての記載を含める義務があります。契約書に何が書かれているか、まず確認しましょう。

STEP
解約したいなら、ためらわず「すぐ」書面で通知する

クーリングオフは時間との勝負です。少しでも解約を考えているなら、期限を確認し、書面(メール等)で速やかに販売店へ通知します。

STEP
通知の控えと受領の証拠を残す

いつ・何を伝えたか、販売店がいつ受け取ったか。送信記録や控えを必ず保存します。

STEP
州の消費者保護当局に確認する

自分の州に制度があるか、期限内か、放棄していないか——判断に迷ったら、当局やJACSに相談してください。

よくある質問

個人売買で契約した直後に後悔しています。解約できますか?

個人売買にはクーリングオフがありません。解約できるかどうかは、契約の一般的なルール(双方の合意があるか、相手に不実表示などの落ち度があったか)によって判断されます。まずは相手と話し合い、難しい場合は状況に応じて対応を検討することになります。

新車と中古車で、クーリングオフの扱いは違いますか?

州によって異なります。新車と中古車で期間や条件が違う州、一方にしか制度がない州などさまざまです。自分のケースがどうなるかは、お住まいの州の消費者保護当局で確認するのが確実です。

ディーラーに「クーリングオフはない」と言われました。本当でしょうか?

州によっては本当にクーリングオフ制度がありません(WA・TAS・NTなど)。一方で、制度がある州なのに「ない」と言われているとしたら問題です。ディーラーの説明をうのみにせず、州の消費者保護当局で事実を確認しましょう。

まとめ:クーリングオフは「短く・限定的」。でも他にも道はある

  • 車のクーリングオフが使えるのはディーラー購入のみ。個人売買には全州でない
  • ディーラー購入でも州により有無が分かれ、期間は短い。乗って帰る・waiver署名で権利を失う
  • クーリングオフが使えなくても、誤認・欠陥など別の理由なら解約・救済を求められることがある

クーリングオフは時間との勝負です。「やめたいかもしれない」と思ったら、迷っている間に権利が消えてしまう前に、まず状況を確認しましょう。使えない場合でも、あなたに残された道はまだあります。

「自分の州は?」「もう間に合わない?」——判断に迷う段階でも大丈夫です。契約書を手元に、まずはお急ぎでご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。制度や法律は州により異なり、変更されることがあります。個別の状況については、JACSまたは各州の消費者保護当局・専門家にご相談ください。

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