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英語が不安でも大丈夫。保険会社とのやり取りを乗り切る4つの方法【オーストラリア】

英語での保険会社とのやり取りに不安を感じている人
ご相談内容

事故のあと、保険会社とやり取りしなければならないのですが、英語に自信がなくて不安です。

特に電話が怖くて、専門用語も聞き取れません。うまく説明できないせいで、不利な扱いをされてしまわないでしょうか?

この不安は、JACSに寄せられるほぼすべてのご相談の底に流れているものです。事故や故障だけでも大変なのに、そこに英語のプレッシャーが重なる。本当にしんどい状況だと思います。

でも、最初にお伝えしたいことがあります。「英語を頑張る」のは、実は正解ではありません。オーストラリアには、英語が得意でない人が保険会社と対等にやり取りするための制度と方法がきちんと用意されています。

この記事では、その「4つの方法」を紹介します
  • 方法①:政府の電話通訳サービス「TIS National」の使い方
  • 方法②:話を避けて「書面」で進める技術
  • 方法③:そのまま使えるキーフレーズ集
  • 方法④:代理人・同伴者
目次

大前提:「英語の壁」への配慮は、保険会社の義務

まず、気持ちの土台になる事実からです。オーストラリアの保険業界には「General Insurance Code of Practice(損害保険業界の行動規範)」という規範があり、主要な保険会社の多くが加盟しています。

この規範は、言語の壁を、年齢や健康状態などと並ぶ「配慮が必要な事情(vulnerability)」の一つとして明記し、該当する顧客に適切なサポートを提供することを保険会社に求めています。通訳サービスへの案内を自社サイトに載せることまで求められているほどです。

ポイント

つまり、「英語が不安なのでサポートしてほしい」と伝えることは、わがままでも甘えでもなく、相手の義務の履行を求める正当な行為です。遠慮する必要はまったくありません。むしろ早めに伝えるほど、保険会社側も適切な体制(ゆっくり話す、書面でのやり取り、通訳の利用など)で対応できます。

方法①政府の電話通訳「TIS National(131 450)」

TIS Nationalの通訳を介した保険会社との三者通話の仕組み

最強の方法がこれです。TIS National(Translating and Interpreting Service)は、オーストラリア政府(内務省)が提供する電話通訳サービスで、日本語にも対応しています。24時間365日使え、あなたと保険会社の間に日本語通訳が入る「三者通話」の形でやり取りできます。

使い方はシンプルです。

STEP
131 450 に電話する

自動音声またはオペレーターに「Japanese, please」と伝えます。日本語通訳が電話口に付きます。

STEP
つないでほしい相手を伝える

自分の名前、保険会社名、保険会社の電話番号(と、あればクレーム番号)を伝えると、オペレーターが保険会社を呼び出して三者通話にしてくれます。

STEP
日本語で話す

あとは通訳を介して、普段どおり日本語で説明・質問すればOKです。専門用語も通訳が英語にしてくれます。

多くの保険会社はTISの対応機関として登録しており、通訳費用は企業側が負担する仕組みのため、利用者の負担は通話料程度で済むのが一般的です。保険会社のウェブサイトで「Interpreter」「TIS」と検索すると、その会社の案内ページが見つかることが多いです。

注意

TISの通訳の役割は「話された言葉を訳すこと」だけです。何と答えるべきかのアドバイスはしてくれません。「この質問にどう答えたら不利にならないか」という中身の相談は、通訳ではなくJACSや専門家の領域です。通訳=言葉の橋、JACS=内容の整理役、と使い分けてください。

方法②電話を避けて「書面(メール)」で進める

そもそも、英語が不安な人にとって電話は最も不利な戦場です。聞き逃せない、考える時間がない、記録も残らない。だったら、戦場を書面に移しましょう。これは正当な要求で、多くの保険会社はメールでのやり取りに応じます。

書面には、英語の不安を補う3つの利点があります。

  • 読む時間・書く時間を自分でコントロールできる:翻訳ツールで内容を確認し、返信もじっくり準備できます
  • すべてが記録に残る:「言った・言わない」がなくなります。万一こじれて苦情や申立てになったとき、そのまま証拠になります。英語の不安対策と証拠づくりの一石二鳥です
  • その場の即答を求められない:電話で意味がわからないまま「Yes」と答えてしまうリスクを消せます

電話がかかってきてしまったときの合言葉は 「Please send me that in writing.(その内容を書面で送ってください)」。内容を理解しないまま電話口で同意しない。これだけで、多くのトラブルを防げます。

方法③そのまま使えるキーフレーズ集

コピーして、そのまま使ってください。電話でもメールでも使える、身を守るための基本フレーズです。

スクロールできます
使いたい場面英語フレーズ意味
通訳を頼むI need a Japanese interpreter. Could we use TIS National on 131 450?日本語通訳が必要です。TISを使えますか?
書面を求めるPlease send me that in writing.その内容を書面で送ってください
メール連絡を頼むI prefer to communicate by email due to my English.英語の事情でメールでのやり取りを希望します
ゆっくり話してもらうCould you speak slowly, please? English is not my first language.ゆっくり話してもらえますか?英語が母語ではありません
即答を避けるI need time to consider this. I will respond by email.検討する時間が必要です。メールで返答します
同意しないI do not agree to this at this stage.現時点でこれには同意しません
意味を確認するCould you explain what that means for my claim?それが私の請求にとってどういう意味か説明してください
担当者名を控えるMay I have your name and a reference number for this call?お名前とこの通話の参照番号を教えてください

特に大切なのは「同意しない」と「即答を避ける」の2つです。沈黙や曖昧な相づちが同意と受け取られないよう、留保をはっきり言葉にするのがコツです。

方法④代理人・同伴者を立てる

すべてを一人で抱える必要はありません。英語が得意な家族や友人に、やり取りを手伝ってもらうことができます。保険会社は本人確認と個人情報保護のため、あなた本人の同意(第三者への対応許可/authority)を確認しますが、逆に言えば、同意を伝えれば正式に代わりのやり取りが可能になります。電話で本人が最初に「この人に話すことを許可します」と伝える方法や、書面で許可を出す方法があります。

また、日本語の書類(日本の免許証や証明書など)の提出を求められた場合は、NAATI(翻訳・通訳資格の認定機関)認定翻訳者による翻訳が求められるのが一般的です。「誰が訳してもいい」わけではない点に注意してください。

それでもこじれたら:AFCAも無料+通訳サポートあり

保険会社の対応に納得できないときの苦情・申立ての道(社内苦情処理→AFCA)は、別記事「保険会社に補償を拒否された」でくわしく解説しています。ここで知っておいてほしいのは、AFCA(豪州金融苦情処理機構)への申立ても無料で、通訳サービスを利用できるということ。つまり、言葉の壁を理由に、苦情の段階で諦める必要もないのです。

よくある質問

STEP
通訳を頼んだら、保険の審査や請求で不利になりませんか?

なりません。言語サポートの提供は業界規範で保険会社側に求められている配慮であり、通訳の利用を理由に請求の扱いを変えることは許されません。むしろ、誤解のないやり取りは双方にとってプラスです。安心して使ってください。

STEP
家族に代わりに電話してもらってもいいですか?

可能です。ただし保険会社は本人確認を行うため、最初にあなた本人が「この人とのやり取りを許可する」と伝える(または書面で許可を出す)必要があります。一度許可を登録すれば、以後のやり取りがスムーズになります。

STEP
事故の状況をうまく英語で説明できる自信がありません。

説明は「正確さ>流暢さ」です。日時・場所・進行方向・信号や標識・相手の車の情報を、事前に日本語で時系列に整理してから、TISの通訳を通して伝えるのが確実です。図やドラレコ映像・写真があれば言葉の負担はさらに減ります。整理の段階はJACSがお手伝いできます。

まとめ:英語を頑張るのではなく、制度と技術で乗り切る

  • 言語の壁への配慮は保険会社の義務。サポートを求めるのは正当な権利
  • TIS National(131 450)で日本語の三者通話。書面(メール)に切り替えれば時間と記録も味方になる
  • わからないまま同意しない。「Please send me that in writing」を合言葉に、必要なら代理人とJACSを頼る

英語の不安は、あなたの権利を小さくしません。道具と頼り先を知っていれば、日本語で戦えます。

「保険会社に何と言えばいいかわからない」——その段階からで大丈夫です。届いたメールや書類をそのままお見せください。一緒に読み解いて、返す言葉を組み立てましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。制度や法律は州により異なり、変更されることがあります。個別の状況については、JACSまたは各州の消費者保護当局・専門家にご相談ください。

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